2024/10/15 10:54

shiroha seriesは上部の白と下部の赤茶からなるツートーン

オリジナルの技法である「脈」について、最初に試してみたのは2010年頃
しかし根本の考え方はそこから更に2年ほど前に「おばあちゃんへ贈る湯呑」を作っていた時でした
おばあちゃんが持ちやすい形、すべり落とさない様にしたいと、最初はまず横方向の凹凸を付けました
ろくろ目と言って、ろくろを挽くと自然につく凹凸を強調させたものでした
まっさらよりもかなり滑り辛く、手で作った凹凸は手にフィットするなと感じました
それが、縦方向の凹凸でもしっかりとつかみやすいことがわかり、現在のデザインに至ります

下部を焼き締め(無釉)にしたのは、私自身が食器洗いの際、高台部分をつかんで軽く水切りする癖があった為です
ここが焼き締めであることは、濡れていてもかなり滑り辛いことに加えて、
人は視覚的に下部に濃い色が来ると安心感があるということを
デザインの知識として学んでいたので、その点でも叶っていると感じています

長く、どんなデザイン、どんな色がいいか考えていた私にとって、いろいろと腑に落ち
しっくり来た作品です
凹凸に掛かった白い釉薬は、山脈に降り積もった雪のように見え、
その麓では素地(地面の土)が見えている
私には長い冬(試行錯誤)から春を迎えたような、嬉しい気持ちになった器でした
これからも試行錯誤は続きますし、色や形状も変わっていくと思いますが
自分で好きになれる作品を作っていきたいですね