2024/12/13 09:53

大容量マグカップshirohaの、brownバージョンを制作しました
こちらの色は、「ペア中マグカップ」における茶の色味とほぼ同一になります
ペア中マグカップよりも容量が大きく、一人時間をより良い物にしてくれる、たっぷり入るカップとなっています

白いカップ・茶のカップ、それぞれに良さはありますが、茶のカップの良いところはなんと言っても
着色が目立ちにくい点にあります

陶器のうつわをよくお使いの方はご承知かと思いますが、陶器の原料は「土」
土は周辺の水分や空気を吸い込みます
コーヒー程の色の濃いものを入れると、ヒビ柄のようなものが見えてきます、これが「貫入」です
貫入(かんにゅう)とは素地と釉薬の伸縮の違いで、焼き上がるどの器にも入っている細かなヒビで、使うまで目にはあまり見えません
使っていくことでヒビの隙間に色が染み込み柄が見えてくるのですが、日本の故人はその様子にも美を見出し
「墨貫入」という、あえて焼き上がりに墨をすりこみ貫入柄を楽しむといった技法もあるほどです

貫入については好みもあるでしょう
「一緒に歩んできた風合いが、時の長さを感じる」と言った「うつわを育てること」に良さを感じる方にとって
陶器はぴったりと言えます
陶器は手間のかかるうつわです
しかし、手間がかかるからこそ愛おしく感じたり、手間暇かける時間を充実に感じたりするのだと
便利さを求める現代においてそう感じており、これは学生時代から一貫して自分の中にある主張です

白い器も定期的に目止めをするなどで着色を防ぐことができますが、茶は頻繁に目止めしなくても着色が目立ちにくいです
しかしながら長く使っていくことで、茶のカップにも風合いが出てきます
どのように経年変化していくのか?自分自身と一緒に年を重ねて、成長を楽しんでいただけたら幸いです