2025/02/14 09:15
過去作品の紹介、友人の出産祝いに贈ったうつわです
赤ちゃんのためのうつわ、高台はどっしりと広く安定感があります
このうつわは口縁の内側に返しがついていて、独特な形をしています
返しを付けた理由は、自分の経験から
まだ子供が幼かった時、柔らかい離乳食がスプーンですくい辛いとよく感じていました
食卓で一緒に自分も食べながら、離乳食を子供の口へ運ぶ際に茶碗も箸も一度置き、スプーンと子供のうつわに持ち替える
当たり前の動作かもしれませんが、もし返しがついていたら片手でできるのになぁ、と
今思えば短い期間だったかもしれません
でも当時はそれが毎日、毎食、一口一口、とても長い期間に感じていた気がします
だから、その期間が親子にとって良い物になる様願って制作しました
産後ははじめての連続、休みの無い育児、ちょっとした緊張感と漠然とした時間が入り混じりつつも、なぜか忙しさに追われる毎日です
そんなお母さんたちに出来ることは何だろうと、考えてはみたのですが
子供が使ううつわはやはり、割れないプラスチックのものを選ぶ方が多いように感じます
確かに、自分で食べるようになってきたばかりの子供はうつわを投げることもありますよね
我が家の子供たちも、そういう時期には割れない食器を使っていましたが、その時期以外は離乳食の時期もずっと陶器でした
単純に私がプラスチックより陶器が好きだったのもありますが、軽すぎるプラスチックより重みがある方が子供もこぼさない場合があるのです
陶器はどうしても「こわれもの」である以上、「便利なもの」というよりは「豊かにするもの」です
手に触れて、使って、洗って、仕舞って、大切に扱うその時間が豊かさになってくれたらいいと、いつも思っています